FURY(ネタバレ有り) - diary.jgs.me

すごかった、本当にすごかった、お前らインターステラーなんかみてる場合じゃねえぞ、今すぐFURYみにいった方がいいぞ。これからめっちゃネタバレするからな、みてないやつは今すぐインターネットやめて最寄りの映画館のチケット買え!!そして映画館へ行け!!
歴戦の戦車乗りたちがはじめて仲間の死を突きつけられるところから物語は始まる。車長でもあり、上官でもあるドンことブラッド・ピットも気丈に振る舞いながらも基地では危うげなところを見せる。そこへやってくるのがケツの青いノーマンくん。元々タイピストで何かの手違いで戦車に乗ることに乗ることになってしまった彼は、戦車に乗った経験はおろか人を殺したことすらない。戦車乗りになってはじめての任務は自分の前任の血や顔面が貼り付く車内を掃除することだった。ドンの部下の戦車乗りたちも手荒い歓迎で彼を迎えるのだった。そんな彼を時に厳しく、時に優しく戦場の、そして人生の師としてドンはノーマンくんを導いていくのだ。戦場では相手を殺さなければ自分が、そして仲間が死ぬこと。敵が子供だろうと容赦したら仲間が死ぬこと。厳しく教えながらも、気がありそうな女の子と2人っきりにしてあげる優しさを見せたり。他のクルーたちともぶつかり合いながらも親睦を深め、戦車という窮屈な空間で家族のように暮らす彼らは阿吽の呼吸で戦場を駆け抜けていく。しかし戦場にはあまりに多くの死が充満していて戦車の中だろうと外だろうととにかく息苦しいのだった。
5人の連携が最もアツくさせるのが対ティーガー戦車戦である。そう、この映画ではFURY号ことM4シャーマン中戦車x3とティーガー重戦車の息つく間もない戦車戦がみれるのだ。ティーガー戦車が姿を現したときの絶望感たるや!そう!WoTでTier7のあの戦車がぬっと姿を現したときの絶望感がリアルに味わえるのだ。照準を合わせて…!発射…!でも跳弾!!ぐぬぬ…も見れる!ティーガー戦車つよい!しかも!M4シャーマンでティーガー戦車に回りこんでケツにぶちかますシーンまでみれるのだ!ウオー!オレはこの見事としか言いようのない戦車戦に度肝を抜かれて、謎の感動がこみ上げてきてこの時点で泣いた。
ただこの戦車戦、M4シャーマンが2輛ティーガー戦車にやられてしまい、FURY号も無線まわりが故障し完全に孤立してしまう。その最中でもオトコたちはギャグを飛ばしながらなんとか笑いあって生きていこうとするのだ。そのなんとも言えない悲愴さに、戦車戦で興奮して泣いていたところから一転してつらすぎて涙が止まらなくなった。
たった1輛になってしまったけど、国のために、大義のために死守する地点へ向かう一行。しかし、目標のポイントの寸前で地雷を踏んでしまいキャタピラも壊れてしまう。「なんてことないぜ、修理したるワイ」とクルーたちが修理しているところへファッキンナチの大群が行軍してくる。さすがにこれまでとばかりにクルーたちは撤退を勧めるが、ドンは頑なに任務を果たすという。家族のとーちゃんがやるっつってんだからオレらもやるぜ、とばかりにクルーたちも最後の戦いに立ち向かっていく。
固定砲台と化したFURY号と阿吽の呼吸のクルーたちの善戦も虚しく、多勢に無勢で一人、また一人と死んでいく。脱出ハッチから命からがら逃げ出したノーマンくんが自分を戦場に適応させてくれた師であるドンに最後の別れを告げ、敵襲か、もはやこれまでか、というところで仲間に救い出されるのだが、虚ろな目でFURY号を見届ける彼はまさに父親であり師、そして家族、そして家を全て奪われたに等しい状態で戦争!!!あああ!!!戦争!!!!となって泣いた。
おいおい泣いてるところでエンドロールがはじまるんだけど、このエンドロールがまたドキュメンタリーのコラージュのようなつくりになっていて、このFURYのようなドラマが誰にも知られぬまま誰かの歴史に存在して、そして両軍共に大勢の人が亡くなった先の大戦のような戦禍を本当に繰り返してはいけないし、このようなことがあってはならないと強く感じた。
半泣きでパンフレット買って、帰って読んだところ、ティーガー戦車は現存するたった1輛の可動するものが世界ではじめて使われたり、M4シャーマンも本物が使われていたり、主要キャストが実際にブートキャンプで戦車内で暮らしたりしていたそうで監督のリアリティへの執念のような固執が、みる者の心を大きく揺さぶるのだと、戦場の苦しみ、閉塞感を究極的なリアリティで描くことの凄まじい残酷さに感慨を深めるのだった。トーチ作戦でもない、ノルマンディー上陸でもない1つの戦車小隊の1日を描くだけでここまでの表現ができるということの素晴らしさよ。衣装も素晴らしいし、戦場らしい泥や砂埃や硝煙にまみれていく表現も素晴らしかった。音楽も控えめながらとてもいい仕事をしていた。
これが映画なんだ。

December 2nd, 2014 2:33am
original: http://diary.jgs.me/post/104084668419
#20141202 #1202

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筆者について

jigsaw(ジグソウ、1991年6月12日-)は日本のプログラマ、会社代表。本名は小林貴也(こばやし たかや)。主にウェブ、フロントエンド領域で活動している。カミング・スーン合同会社の代表社員。
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