マツタケが絶滅危惧種になった理由は、森が豊かになったから(田中淳夫) - 個人 - Yahoo!ニュース

マツタケが絶滅危惧種になった理由は、森が豊かになったから(田中淳夫) - 個人 - Yahoo!ニュース
江戸時代から過度な草木の搾取が続いたからである。
 当時は建物だけでなく多くの道具の素材を木材に頼り、またエネルギー源もほとんどが木質だった。大量の薪や木炭を消費したのだ。日々の煮炊きや暖房から産業に供する燃料まで、何もかも木々に頼っていたのである。大坂の町で使われる薪は、遠く四国や九州から運ばれていた記録もある。江戸も同じく東北・関東一円からエネルギー源として薪や木炭を集めていた。
 さらに農業でも、落葉だけでなく草や枝葉を切り取って堆肥にした。むしろ草の方が堆肥に向いていると、木々を切り払って草山にするほどだった。
 かくして山の土壌は栄養分を失い、末期的状況に陥った。そこに生えられるのはマツぐらいしかなかったのである。
 そしてマツタケ菌は、生きたマツの根に菌糸を伸ばして生育する菌根菌の一種である。非常に繊細で弱いため、ライバルとなるほかの菌がいない土地を好む。マツ林の中でも、常に地表の落葉が取り除かれて貧栄養状態にならないと、生育できない。
 つまり「亡国」とさえ言われた荒れた山の状態が、マツタケの生育にぴったりだったのだ。おかげで昭和初期までの日本の山には多くのマツが生え、マツタケが大量に育ったわけだ。

田中淳夫
#20200711 #0711

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筆者について

jigsaw(ジグソウ、1991年6月12日-)は日本のプログラマ、会社代表。本名は小林貴也(こばやし たかや)。主にウェブ、フロントエンド領域で活動している。カミング・スーン合同会社の代表社員。
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