大型SNS第二種免許 - やしお
その昔「交通戦争」という言葉があった。日本だと1959年(昭和34年)に年間の交通事故の死者数が1万人を突破して、大平洋戦争よりも死者数が多くなって「もはや戦争状態」ということでこの言葉が使われ出したらしい。1964年の東京オリンピック後からさらにモータリゼーションが進行して、1970年まで死者数が増加し続けた。
東京オリンピック(1964年)から見ると敗戦(1945年)は19年前で、今(
2020
年)から見た19年前って、小泉政権が誕生、「千と千尋の神隠し」や「オトナ帝国」公開、ゲームキューブ発売、あゆと宇多田が人気、9・11が発生、などの年(2001年)かと思うと、「最近」とまでは言わないにしても(30代以降くらいなら)はっきり記憶がある過去だ。これくらいの時間的な距離だと、「あの戦争で死んだ人数より交通事故で死んだ人の方が多い」はかなり生々しさとインパクトを持ったのだろうと思う。「交通戦争」という言葉はたぶん、今の我々が思うよりはるかに強度のある言葉だったのではないかと想像している。
運転者だけでなく歩行者への教育を進めたり、信号機、歩道・地下道・歩道橋、照明、ガードレール、標識などの整備が進んだり、交通事故やシートベルト不着用、飲酒運転の罰則が強化されたり、安全装置(エアバックやチャイルドシート)が普及したりといった対策が進んだ結果、現在の死亡者数はピークから見ると5分の1程度に減っている。
こうした対策はEducation(教育)、Enforcement(法制)、Engineering(技術)の頭文字を取って「3E対策」と総称されるらしい。人のレベルを上げる、ルールを整備する、技術的に課題を解決する、という三つ巴で、事故を抑える/安全を達成する、というのは他の分野でも同じだろうと思う。この辺も3つにきれいに区分されるというより互いに絡み合っている。
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筆者について
jigsaw(ジグソウ、1991年6月12日-)は日本のプログラマ、会社代表。本名は小林貴也(こばやし たかや)。主にウェブ、フロントエンド領域で活動している。カミング・スーン合同会社の代表社員。
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