スター☆トゥインクルプリキュア 感想

from 20210604 #0604
スター☆トゥインクルプリキュア 感想
4月の中頃からみはじめて、1日1話ずつコツコツ見進めていって、最後は我慢できず3話イッキにみたけど完走した
先に結論から書くと、もうこのプリキュアというシリーズとかアニメとか、そういう括りとかいうレベルではなく、古から(ウェルズの宇宙戦争を祖とすると100年そこそこだけど...)数多のメディア、手法で語られてきた数々のスペースオペラの新たなクラシックとして君臨するんじゃないか〜というぐらい大傑作だとおもう
みはじめたくらいの頃は、成瀬瑛美さんに思い入れがあるのでちょっと人よりも感受性が高いのかも?とおもいながら絶賛していたのだけど、全て(映画版をまだみてないのでこれからみるが)をみおわった今、これはもう誰に何を言われようと俺の中ではもう燦然と輝くベストなんだ、と胸を張って声高らかに宣言できる
おわってみると、このシリーズの一番巧かったところは、宇宙観をフワというマクガフィン、舞台装置に集約することでクライマックスまでこの壮大になってしまいそうな設定をまとめたところだとおもう
スターパレスを宇宙の中心とした時に、地球がめちゃくちゃ辺境で、スターパレスの近くに星空界や惑星サマーン、少し離れて惑星レインボーがあって、それらの星々は独特の生態系を持っていたり、サマーンやグーテンは技術が進歩していそうだったが恒星間の移動まではできなくて、フワ(と、ダークネストもといへびつかい座)によってのみワープができるとしたあたり
あんまり他シリーズと比較するのもアレだけど、HUGっと!プリキュアは感想にも書いたけどSFでもトップクラスに扱いの面倒な "時間" を取り入れてしまったせいで、ラスボスの動機からラストの展開から何からう〜ん?となってしまったのが惜しかった
そして何よりもよかったのが最終話で、これまでみてきた魔法つかいプリキュア!から前述のHUGまで、毎回恒例のように?次シリーズのキャラクターの顔見せがあって、ちょびっとオマケの戦闘があって〜というのが続いてきた
魔法つかいプリキュア!みおわった#5fb359a14ade4d0000c11f7cで書いたような内容をやってくれ!とまでは言わないけれど、魔法の最終回は結構シラけてしまったので、本作最終回の前半パートは「まあまあこれは様式美みたいなもんですよね、ええ、そうですよね...」と若干の諦めを感じたものの、夢オチ展開にはマジでしびれた
終盤の展開もマジに最高で、ダークネストがへびつかい座のプリンセスだったのには驚嘆した
とはいえ、それが明らかになる話の少し前に、妻との話の流れで星座の話を Google Home に振ったら黄道には13番目の星座 "へびつかい座" がある、というすわネタバレか!?みたいな情報を引いてしまったのだが、なるほどだからダークネストの鎧には蛇があしらってあるんだな〜程度にしか考えてなくて、なるほどへびつかい座のプリンセスってことね...なるほどね....と
この辺の展開も、シリーズが抱えていた "なんのために戦うのか" みたいな部分にしっかりと応えているようにおもった
初代や、自分がみてきたシリーズでも登場人物たちは結構受動的に騒動に巻き込まれて、戦いに身を投じていくことになるが、本作でもまさに同様にひかるはうっかり宇宙規模の大騒動に巻き込まれてしまった人で、だからこそトッパーとノットレイダー一味の罵り合いに、なんでやねーんとなるわけで
でも実はそれってスタープリンセス陣営もノットレイダー陣営もやってることは同じで、カッパードをはじめ幹部たちとプリキュアチームは代理戦争させられていただけなんだよな、と
ペンとペンダントを与えられたプリキュアと、武器と鎧を与えられた幹部たちは鏡像関係だった
それを補強するように、スター(ミルキー?)=カッパード、コスモ=アイワーン、ソレイユ=テンジョウ、ガルオウガ=セレーネと補助線が引かれていったのもまた
フワを贄に、宇宙を存続させるかどうか、という問いに対して贄にできなかったスター、そしてそれが壊滅的な結果を招いてしまうわけだが、それはどう考えてもスターパレス陣営の情報隠蔽がダメすぎるやろ!って話で
そんな先達たちの後始末をさせられるハメになるといえばそれはそうって感じだけど、それに対してへびつかい座ですら救おうとするプリキュアチーム、ひかるの思想は創造主を超える帰着を見出していてそれがイマジネーションの力ってやつだよなあ、と...
自分たちの人類史を振り返っても、技術や、統治の仕組みなど常に先人たちの背中を追いかけながら、それを乗り越えてきたわけで
フワの掛け声「声を重ねるフワ!」は初出では、まあこうやって団結して主張する時ってやっぱシュプレヒコールみたいなの大事よね〜などと呑気に考えていたが、終盤が近づくにつれて、ああこれは5人の声だけじゃなくて宇宙のプリキュアに共鳴する人々の声を重ねるフワになんだろうなあ、そういう展開きたらまた涙腺がいっちまうわ...と予想していたので終盤の展開はわかっていてもハチャメチャに泣く
あとは、プリキュアの力を最後には喪ってしまう、というのはこれまでのシリーズでもあった展開だけど、このシリーズに関しては直球で幼年期の終わりのメタファーになっているというか、プリキュアという経験を通じて "なりたい自分" を発見する物語だったので、終盤どんどん発見していく展開は嬉しくもあり、また別れを感じさせて刹那的な気分になったりしたのだった
敵対していた相手が仲間になるという展開は、初代のキリヤをはじめ、魔法のバッツィ、アラモードのピカリオと歴々といるが、HUG でどんどん仲間になっていく展開が本当に好きだったので、本作でも終盤で相互理解が進んでノットレイたちも取りこぼさないというのにはメッセージ性を感じた
また、これまでの作品で "プリキュア" の名についての言及はあんまりなくて、大抵は伝説や伝承等で "伝説の戦士" の名前がプリキュアだったぐらいのものだったが、本作では pre・cure だとはっきりとプリンセスたちが言っていて、pre というと英語では before 的なニュアンスを感じるが、英語でも "前へ" という意味があるのかな?語源のラテン語?インドヨーロッパ語?らへんでも英語でいう forward 的なニュアンスがあるらしいので、そこもテーマとマッチしていてスゲェ!と
ところで、何がスペースオペラの血脈を感じるかというと、宇宙の生命は元来スターパレスのプリンセスたちのイマジネーションで、それが宇宙に散ったことで宇宙に生命が誕生した、という設定のあたり
プロメテウスはモロにそういう宇宙観だったし、ふしぎの海のナディアにおけるアトランティス人や(エヴァンゲリオンも含めてもいいだろう)、もちろんクラシックの2001年宇宙の旅なんかもそうだろう
インターステラーの5次元の存在?は創造主ではないのかな?
あと宇宙のもろもろで近しいものを感じたのはマーベルのいくつかの宇宙を舞台にした作品で、惑星レインボーの住民たちはスクラル人を連想したし、星空連合はクリーっぽかった
へびつかい座の思想はインフィニティ・サーガのサノスっぽさがあった
幹部たちの雰囲気もブラックオーダーっぽい
もうちょっと小道具レベルでいうと、カッパードのブレードは露骨にライトセーバーだったし(しかもダース・モールライクなダブルブレードの時と2刀流のときとあって普通にカッコいい)
これから見返したりして煮詰めていこうとおもっているが、明らかにこれめちゃくちゃ脚本?演出?うまい人が関わってるやろ!みたいな回が何回かあって、20分くらい?の尺にキッチリ収まるようにテンポよく話を展開していくのはもちろん、構図がとにかくうまい、何度も唸らされた
パッと思い浮かぶのは、ひかると漫画家の母の回でブランコのシーンの立ち位置、アングルが完璧だった
ひかるメインの回は安定してよかった気がする
前述の最終話も、ニュース映像をオーバーラップしてみせるとかマジで天才か???と...
あとそれ弱いんだよな〜演出でいうと、こういう変身もので、ずっと隠してきた主人公がついに人前で変身する、って展開にめっちゃ弱くて、例えばクウガの終盤で五代が一条さんに「見ててください...俺の最後の変身」つって変身するとことか思い出すだけでも泣く
香具矢さんトーチャンが余計なことをしてクラスメイトに疑われて...って回
演出的なところでいくと、変身シーンはこのシリーズのひとつの到達点に達したのではないかと
HUGっと!プリキュアから変身シーンが頭ひとつ抜けた気がする でも書いたけど、歌入るのが本当にズルくて、1話のスターのソロ歌唱から、終盤の虚無空間でひかるが歌いだすところまで、変身シーンの歌が本当によくてよくてもう....
変身シーンはみんなむちゃくちゃかわいいけど、個人的にはソレイユの感じがなんともツボ
サザンクロスはセレーネがツボ
ちなみに HUG ではえみるルールーがツボ
虚無空間で歌いだす感じは、東日本大震災があった後の RHYMESTER の "そしてまた歌いだす" を思い出したりした
先人たちのように背筋伸ばす 古臭い悲観を全部吹き飛ばす
あなたこそ現にそうしてきたはず かつてオレを救った奇跡のヴァース
そのバトンを次の誰かに渡す チャンスを信じてまた奮い立たすから
歌ってる場合ですよ どんな時代だってこの世に人がいる限り
歌ってる場合ですよ あなたも止めないさきっと声続く限り
黒いインクで冴えた光を 白い余白にたたずむ闇を
たとえそれがパイオニアたちの通った道のリフレイン だとしても
ていうか、久々に聴いたけど今また聴くとめちゃくちゃ沁みるな...
ひかるというキャラクターの描き方も本当に最高で、製作チームにえいちゃんファンがいるのでは!?というくらいモロにえいちゃんで、1話で現実世界のプリキュアとしてのえいちゃんとひかるが完全に重なってみえて、メタで泣いてしまった
これまでのシリーズのキャラクターでも、自らの考えが伝播していくという演出はあったけれど、ひかるは芯はしっかりありながら、しっかりと戦いで学んだことを取り入れていくし、なんといっても2話でララに情熱が伝播するくだりは心底感動した
ララというキャラクターも最高で、特に印象に残ってるのは惑星レインボーのあたりだったかな?フィールドワークの中で数字の先には現実があるんだ、ということを気付かされるわけだけど、これは自分にとっても耳の痛い話で、日々ニュース等で新規感染者数が何人で〜死んだのが何人で〜ともはや感覚が麻痺しているというか、数字がただの数字にしか見えないというのは往々にしてある話で、でも実際には本当に人が死んだりしているわけで、 ついに身近なところに感染者が でも書いたような現実を痛感させられた
ちなみに、わたくしは完全にプルンスに感情移入してみてたので、終盤スターパレスの攻防の末フワを失って撤退するプルンスにはマジ泣きだった
これまでのシリーズを通して、モフルン過激派と自称してもいいぐらいモフルンが好きなので、正直1話でプルンスが出てきた時はまーた仲良くなれなそうな奴出てきたな...と若干冷めた気持ちでいたが、割と早々にコイツとは仲良くなれそう!となっていって、マオのくだりらへんからもう俺やん!となっていた
ララのリュックとして背負われたりしてる時もララじゃなくてプルンスを目で追ってるくらいプルンスでプルンス
プルンスにとってもこの戦いはリベンジマッチというか、ワンスアゲインだったんだよな
トッパーにとってもワンスアゲインだったんだよな〜...
初出の時は、完全にクリーの指揮官と見立てていたのでもっと話の通じない奴かとおもったが、意外と話のできるやつで安心した

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筆者について

jigsaw(ジグソウ、1991年6月12日-)は日本のプログラマ、会社代表。本名は小林貴也(こばやし たかや)。主にウェブ、フロントエンド領域で活動している。カミング・スーン合同会社の代表社員。
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