「この戦争の最大の勝者は中国だ」ウクライナ危機で東アジアに異変…世界屈指の政治学者が指摘する“米国のミス” | 文春オンライン

「この戦争の最大の勝者は中国だ」ウクライナ危機で東アジアに異変…世界屈指の政治学者が指摘する“米国のミス” | 文春オンライン
米国をはじめとする西側の圧倒的な見方は、『全ての責任はプーチンにある』『プーチンは拡大主義者であり帝国主義者だ』というものです。ただ、この考えは完全に間違っているし、“西側の作り話”といってもいい

『なぜこの戦争は起きたのか?』という問いに対する私の答えは、西側の対東欧政策が今日の危機を招いた

ブッシュ米大統領が主導して、首脳宣言に『(ウクライナとジョージアが)将来的にNATOの一員になることに同意する』と記されました。一方で、ドイツのメルケル首相とフランスのサルコジ大統領はこの声明に慎重な姿勢を示していました。ウクライナとジョージアのNATO入りは、ロシアの国境線までNATOが押し寄せてくることを意味します。それがロシアを強く刺激することを、2人はよく分かっていた

米国のネオコン(新保守主義者)たちは『過去2回のNATO拡大でも問題はなかった。3回目の拡大でも逃げ切れる』と思ったに違いありません。

ウクライナのために米国は東アジアへの『軸足移動』(ピボット)ができなくなっている

ロシアを中国の側に追いやってしまっているからです。現在の国際社会においては米国、中国、ロシアという3つの極があります。このうちロシアにはかつてのソ連のような力はなく、中国に比べれば脅威ではありません。対して、中国は米国の5倍近い人口を擁し、今や世界2位のGDPを誇っています。しかも急速な軍拡をしており、軍事力を背景にした覇権主義も隠していません。ということは、米国はロシアを自分たちの側に置くことが重要

ジョン・ミアシャイマー
#20220906 #0906


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筆者について

jigsaw(ジグソウ、1991年6月12日-)は日本のプログラマ、会社代表。本名は小林貴也(こばやし たかや)。主にウェブ、フロントエンド領域で活動している。カミング・スーン合同会社の代表社員。
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