ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー 感想 (全てのネタバレがある)
とにかく公開までにありとあらゆる関連情報をシャットアウトしてきて、得意の目から入ってきた情報を脳まで届けない技で耐えてきた
最後に駅のビジョンで予告らしきものがかかっていてサッと目を反らして切り抜けた
あとはあんまりこういうことを言いたくはないんだけど、なぜ新海誠の新作をぶつけてきたんだ…
また日本だけ興収ランキング沈むのが目に浮かぶようだ…
邦画にもアニメにもがんばってほしいけど、こういうことされると下がる
ワカンダ〜の上映時間長すぎて時間当たりの収益性が低いとおもわれてるのか、新海誠でコケられないのかなんなのか知らんが、上映回がめちゃ少なくてただでさえマトモにチケット買えないのに、今回はまた涙を飲んだオタクも少なくないのでは
そんなこんなで予告までたどり着いたんだが、ブラックアダムの予告をはじめてみて、JSAが出てくることを知って椅子から落ちそうになった
なんとなくスピンオフだしロック様だし最初はワルそうにみえるけど結局根はいいヤツでしたオチのやつなんでしょーとナメてたフシがあったのだが、バリバリ正史をやる気なのか…?と
バットガール
がどういう立ち位置だったのかはわからんけど、ワーナーがブラックアダムやるのは揺るがないでーすという雰囲気はそういうことだったのかと
クォントマニアはどうせ予告みなくてもみにいくので、別にかけなくてもいいよとおもってたんだけど、いざカーンの姿をみると声でてしまった
ミシェル・ファイファーが続投なのがわかってよかった
どうでもいいんだけど、ディズニーの「冒険が嫌いになったんだ!」的なアニメの世界がポニョポニョしてんなーとおもってたところに MCU の量子世界のイメージが完全にかぶっててクリエイターはやはりポニョに行き着くのか…と
予告最後の3D枠はアバターで、トップガンが終わった今、引っ張り枠がこれになった
1作目は父に連れられてみにいったものだけど、印象に残ってるかというと………
ティーザー予告だった頃からあんまり変わってなくて、CGの見本映像みたいな予告だった…
そしてこの映画は歴代映画早泣き選手権で圧巻の速度で涙腺を破壊してきた
これまでは同じくディズニーのカールじいさんが暫定トップだったのだが、この作品は開幕5秒まだ明転してない時点でぶち抜いてきたのでおそらくこの記録が塗り替えられることはもうないとおもう
ライアン・クーグラーがボーズマンさんの代役はたてないという漢気をみせてきて、それはそうとコンティニュイティはどーすんのかな?というときに、まあ誰しも考えるであろう病死オチでカタをつけてきて、まあそうなるよねという気持ちで葬儀に参列しつつ、誰しもがシュリと同じ気持ちで訃報に接していたとおもうので、それだけでもうシュリに感情移入してしまうというか
そして、おなじみのマーベルロゴはオールボーズマンで、もう嗚咽が漏れそうで耐えるので精一杯だった(震えていたのでバレてたかもしれんが)けど、無音だったので劇場からはあちこちからすすり泣きしている人にたちがいるのがわかって、本当に葬式に参加してるみたいだった
さて、前作の後、ワカンダの人々が危惧していたように世界ではヴィブラニウムを巡って諜報合戦をしていたのだった…
この時点で気まずいのだが、それはもちろん西洋世界がアフリカやメソアメリカ、そしてここにアジアや中東を含めてもいいのかもしれないが、どれだけ搾取してきたのかというのが詰まっているように感じた
また中盤でタロカンとワカンダが反目するようにヴァルに仕向けられていたことが判明して、居心地の悪さがどんどん増していく
最後の大見世場も内ゲバのようにしかみえず、どちらにも感情移入できず、集中が削がれた
せめてフィクションではアフロフューチャーとマヤフューチャーで手を組んで西洋世界に立ち向かってほしかった
フランスの人がどんな気持ちでみるのか想像することは難しいのだが、史実において本作にも登場するマリをはじめアフリカでやってきたことを考えると同情はできない…
MCU
作品ではちょくちょくヴィブラニウム製のxxみたいなのがちょくちょく登場するので、そいつらはよくてなんでフランスはダメなワケ?という気持ちにならんこともない
敵はネイモアって呼んでくるんだと本人から明かされるのだが(別に自分から言うことなくない?)ククルカンはてっきりアクアマン的なアトランティス的なモチーフなのだと思い込んでたのだが、アフリカの人たちと同じく虐殺されてきたメソアメリカモチーフだったのはクレバーだなとおもった
ただ肌を青にする必要はあったのかなとは
前作において、アフリカに未来都市が実はあったら〜...というのが実によく練られていただけに、逆にタロカンは雑にみえてしまうというか、蔑ろにされているようにみえる
そして王とかそういうんではなく、もう神にも近い存在ぽかった
あと自分でミュータントだと宣言していたんだけど、もしかしてもうミュータントのネットワークできつつあるのかなあ?
同じく初登場組のアイアンハートがちゃんとリリ・ウィリアムズだったのも安心した
エンドゲーム
でなんとなくモーガンがアイアンマンの跡を継ぐのでは?と示唆されるような場面があったので
ハンマーで鉄板を打ってるシーンにはこみあげてくるものがあったし、シュリとの絡みはシスターフッドぽさもあって非常によかった
ただ、肝心のスーツデザインはちょっとダサくてがっかり
同様にオコエ隊長なんかもスーツアップするんだが、これもダサくてがっかり…
ドーラのコスチュームの方がよかったし、顔のとこがパカパカするシステムもいい加減やめへん?とはおもってしまう…
パカパカ地獄
それにしても、国王が暗殺されて王位継承した息子が病死して、女王も殺されてってさすがに呪われロイヤルファミリーすぎるやろ……
肉親が殺されて、それと対峙するってやつはシビルウォーでやった話だし、またかよ感もあり
ジモにはスティーブとトニーを仲違いさせるという目的で行動していたわけだけど、ククルカンは当初はワカンダを味方につけて地上を焼き払いたいという目的があったのはわかるが、最終的にワカンダに侵攻して何がしたかったのか…?
タロカンの場所バレが困るという動機があったのかもしれんが、それならシュリやナキアを真っ先に殺すべきなのでは…
しかも女王はリリを救けて死んだという描写だったけど、リリは完全に打ち上がってたしあの状態で死んでるのおかしくない?
んでもって最終的には葬式の時の服を燃やして兄を偲んでおしまいなんだが、なんかここでこの映画作りが作り手たちにとってセラピーだったんだなと納得した
自分でさえまだ受け入れられていないのに、一緒に映画を作ってきた仲間たちはもっと受け入れられないだろうと
たまにこういうセラピー映画ってあって、まあもうしょうがないというか、そういうもんだと受け入れるようにしてるというか…
前作のフラッシュバックも蛇足にしかみえなかったし、帰ったら D+ で見返すからいいよ...みたいなスレた気持ちにまでなった
別にいいけど、飲んだらヤバい草を新たに自然に放つのはちょっとまずくない?
今回はポスクレなしでミッドだけなんだけど、それもシーハルクとかぶってる子供を紹介しますパターンのやつで、それもなんかこう、故人の隠し子を披露されましても....みたいな気持ちにしかならんかったというか
そんなこんなで、冒頭で涙腺は枯れ果て、ビチョビチョになったマスクも客照明が点く頃にはすっかり乾いていた
ルドウィグ・ゴランソンの劇伴はボバ・フェットに近いテイストでさすがの仕事だったけど、前作のケンドリック・ラマーの仕事を考えるとさすがにちょっと比較するのがかわいそうだなというぐらい...
画面サイズは、またしてもIMAXフルサイズになったり縮んだりするパターンのやつで、しかも最後の海戦シーンとタイマンシーンがカットバックで進んでいくところで海戦の方はフルなのにタイマンが縮むので非常にチカチカしてみづらかった
VFX 大変だったからなのか知らないけど、海戦の方はスペクタクルでってのはまだわかるけど、主役の決戦の方はフルサイズじゃなくてもいいかーという判断はどうなの...というのはみている時点でおもっていた
jigsaw(ジグソウ、1991年6月12日-)は日本のプログラマ、会社代表。本名は小林貴也(こばやし たかや)。主にウェブ、フロントエンド領域で活動している。カミング・スーン合同会社の代表社員。