lyrical schoolがアイドルシーンに与えた衝撃 男性メンバー含む新体制での活動に寄せられる期待 - Real Sound|リアルサウンド

lyrical schoolがアイドルシーンに与えた衝撃 男性メンバー含む新体制での活動に寄せられる期待 - Real Sound|リアルサウンド
2010年代はまさに「アイドル戦国時代」と呼ばれ、限定された音楽性に特化することで独自の存在感を放つグループも少なくなかった。アシッドジャズやAOR由来のダンスミュージックに特化した東京女子流、スウェディッシュポップなどの洒脱な北欧ポップスをコンセプトに掲げたバニラビーンズ、ポストロック/エレクトロニカをアイドルシーンに持ち込んで聴衆の度肝を抜いたsora tob sakanaなど、彼女らは高度かつマニアックな音楽性と無垢な少女的ボーカルの共存によって独特の魅力を提示した点で共通するが、リリスクがそのヒップホップ版であった

一定数のリスナーにとって「リリスクがアイドルであるかどうか」がさほど問題ではなくなってきたのではないだろうか。もちろん「アイドルだからこそ、この音楽をやっている事実が面白い」という見方が大勢を占めていただろうとは思うが、シンプルに「5MCという珍しい編成のガールズラップグループ」として楽しんでいたラップミュージック愛好家もそれなりにいたのではないか

大幅にメンバーが入れ替わり、なおかつ“女性アイドルグループ”というカテゴリからも外れるような大改革がなされたことで、「果たしてそれはリリスクなのか?」という哲学的な命題に頭を悩ませる者が少なからず存在することは想像に難くない。一般的に考えればグループ名を変更するか、まったくの別グループとして新規に始動する形を取っても不思議はないレベルの変革度合いだからだ。彼らを“アイドル”とカテゴライズすべきかどうかで困惑しているファンも多いかも

2012年のtengal6からlyrical schoolへのグループ名変更は言ってみれば“名前が変わっただけ”であり、グループが持つ意味合いそのものは不変だったわけだが、それに対して今回はグループ名こそ変わっていないものの、前述した通り存在としての意味合いがまったく変わってしまった。本人たちの意思がどうあれ、少なくとも周りから見れば“別カテゴリのグループ”だ。したがって、もし仮にここでグループ名が変わってしまえば、名前も意味合いも違う、名実ともにまったく別の存在ということになる。そうなると、おそらく彼らは過去のリリスク楽曲をパフォーマンスしづらくなってしまうだろう。

#ナカニシキュウ
#20230319 #0319


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筆者について

jigsaw(ジグソウ、1991年6月12日-)は日本のプログラマ、会社代表。本名は小林貴也(こばやし たかや)。主にウェブ、フロントエンド領域で活動している。カミング・スーン合同会社の代表社員。
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